福島県飯坂温泉の風景
3人だけの乗客だった。3両の車両にそれぞれ一人。
2月9日(火)午後8時半。
福島県飯坂温泉駅から福島駅に向かう鉄道にいた。
この日は13時半から飯坂温泉街にあるあづま荘で会議。
東北地区共同センター連絡協議会。
1年に1回の東北6県の国立大学法人の共同研究センターの会。
2月10日の午前中いっぱいまでの缶詰協議。
2月10日は大学院入試がある。
それで、9日のうちに福島駅近くのホテルに入ることにしていた。
18時過ぎから2時間余の情報連絡会を終えて、あづま荘を出た。
飯坂温泉での会議といえば、なんだか後ろめたい。
飲めや歌えの宴会場が林立している。
アニメの千と千尋の神隠しほどではないにしても、歓楽街。
それは30年ほど前までにつくられた印象。
東京の職場での慰安旅行。
土日を使った一泊二日の宴会の旅。
職場に横付けされたバスに乗って、職場の人たちが行く旅。
その行きつく先が飯坂温泉。
記憶の中の飯坂温泉。
週の初めの時期だとはいえ、タクシーで駅に向かい道すじに人をみない。
ささやかな雪の消えた道路を何の障害もなくタクシーは走る。
ひと気のない町の街路灯がむなしく光る。
そして、飯坂温泉駅。
「昔は人をかき分けなければ歩けないほど人がいた」
首都圏の客が息抜きにやってくる。
福島市の奥座敷。
働くのも遊ぶのも一緒。
会社一家意識が強い時代。
職場慰安旅行で栄えた。
社会が変わった。
職場福利のあり方が変わった。
良質の温泉とその土地にこだわる人が残っている。
地元に人によれば、飯坂温泉駅のホテルには放置されているものもある。
光らないネオン。
使わないスナック。
厳しい現実をそんな風景が見せる。
飯坂温泉駅から福島駅。
20分余のローカル線の旅。
福島駅で降りるのは8人。
乗り降りもあったが、始発より乗客が5人増えた。
福島駅のプラットホームに人が並んでいた。
降りる客の3倍はいたか。
ホームは明かりが落としていて、よく見えない。
通勤線としては、役割をもっているのだろう。
この40年の時の流れ。
構造は大きく変わり、いろいろな町に変化が見える。
冬鬱(ふゆうつ)
気持ちが重い。あれもできていない。
これもできていない。
マイナス面にばかりに心が動く。
なんだか鬱陶(うっとう)しい。
うっ屈した気分が自分を覆う。
暗い世界に身を置いている。
そんなことは自分に合わない。
叱咤激励する。
もがけばもがくほど、そこから脱出できない。
いろんなことがうまく進まない。
思い通りにならない。
集中力がない。
人のせいにしたいことばかり。
この1カ月位、そんな気分が続いている。
なんだろう。
うまく進まない理由。
思い通りにならない原因。
よくわかっている。
すべて、自分のせいである。
それなのに、理由や原因をそのままにしている。
集中力がない。
もう1つ、手を出していない。
動いていない。
人のせいにしたいことばかりを並べ立てている。
日があまり射さない天気のせいか。
足元を滑らせる泥雪のせいか。
気分は鬱。
冬鬱という言葉があるのか。
真っ白な町で黒々とした気分。
後ろ向きに考える。
雪に耐え、風を避けて生きている。
ただひたすらに耐える。
ひたむきに耐える。
そんな風土。
耐えるだけではなにも変わらない。
耐えても、耐えてもだめ。
自分が一歩を進めなければ。
冬鬱。
自己管理の悪さ。
逃げている。
雪国のせいにする自分がみえる。
日曜の雪かき
ドドーッ、ドドーッ。大きな音がした。
音の方向は家の正面玄関。
屋根の雪が滑り落ち、入口をふさいだ。
私とオクサンは家の外にいた。
クルマに積もった雪を払い、道路の雪をかいていた。
路上を雪は捨てる場所がすでにない。
クルマが通らない場所。
溝が通っている場所。
そこに蟻のような気持ちで雪を運ぶ。
繰り返し運ぶ。
そして、大きな音。
ドドーッ、ドドーッ。
玄関先に屋根の雪が滑り落ちた。
小さな雪崩である。
玄関先に2メートル弱の雪の山ができた。
屋根の雪が幾重にも重なっている。
屋根のブリキのかたちを残しながら折り重なっている。
私の住んでいる家は屋根が4つの方向に傾斜している。
雪が積もると自動的に滑り落ちる。
そんなしかけになっている。
朝日が当たり、東と南の屋根から初めに雪が落ちる。
お昼を過ぎて、北と西に面している屋根の雪。
落ちる時にはドドーッ、ドドーッと音がする。
顔を見合わせて、お互いにびっくり。
苦笑するしかない。
2月7日(日)14時頃。
雪が降ったりやんだり。
その雪も小雪。
そして、冒頭の雪の崩落。
小さな雪崩。
屋根の雪は滑る面が氷の状態。
当たると事故になりかねない。
この雪をかく。
スコップでかき分け、雪のそりで外に出す。
丹念に、丹念に。
ようやく小道ができて、人が通れるようになった。
気がつけば、両隣ともに屋根に人が上っている。
右隣には3人、左隣りには2人。
人力で雪を落とす構造の屋根。
ここ1週間は雪がよく降った。
雪除け作業は毎日のこと。
私は土日位しかできない。
北国の暮らしの一こま。
この時期が冬の底のはず。
春を待つ気持ちが少しだけわかる。
地吹雪の日
雪が舞う。ぐるぐると雪が飛ぶ。
足元の雪が舞い上がり、屋根の雪片がとび跳ねる。
津軽の雪が乱舞している。
風に乗った雪がいくつにも分かれ、大地に着いた雪を舞いあげる。
2月6日(土)の午後はそんな雪。
地吹雪のような雪。
遠慮なく、降る雪。
足元から先数メートルしか見えない。
クルマはライトをつけて動く。
運転する方も歩く方も先が見えない。
この日は朝の10時から大学で報告会。
その後に、一旦自宅まで戻った。
雪をかくためである。
1時間ほど、門の前、クルマに積もった雪払い。
家の前の道路。
その雪はそれぞれの家に住む人の除雪義務。
とくにどこかに書かれているわけではない不文律。
生活をしているとそれがわかる。
家の前の道路に雪がたまっていると、道が使えない。
公道をふさぐことになる。
雪が積もると、自宅の前の道路の雪をとる。
それが雪国の不文律。
この日の午後の地吹雪。
そんな小さな世界の不文律をあざ笑うような雪。
わずかな時間で元のもくあみ。
何もしなかったかのような積雪。
この日は17時半から懇親会があった。
遅い新年会である。
クルマ、バス、タクシー。
どの手段を使うか。
悩ましい天候。
結局、長靴を履いて、バスを使うことにした。
吹雪がひどいと、タクシーを呼ぶ。
そんな想定で出かけた。
天候は変わる。
地吹雪は治まり、案外スムースに移動。
予定の時刻に懇親会場に到着。
今、津軽は真冬の真っただ中。
零下7度の気温で、雪と風の世界。
これから10日位で春に向かう。
青森名物「味噌カレー牛乳ラーメン」
黄金色の汁。それに四角いバターとともに黒いものが浮いている。
ラーメンの証明のシナ竹とチャーシューものっている。
まずは写真撮影。

[私の手元やってきた「味噌カレー牛乳ラーメン]
黒いものが徐々に姿を現す。
緑に変わる。
乾燥わかめが熱いスープに反応している。
青森のラーメンに味噌カレー牛乳ラーメンである。
店の名前は「味の札幌 大西」である。
この不思議なラーメン。
スープをすくって飲んでみた。
甘い。
カレーの香り。
それでも味噌ラーメンの本性は残っている。

[食後に店を出て、入口を撮影]
1月31日(日)に青森美術館に行ったが、そこでこのラーメンのことを思い立った。
カーナビに味噌カレー牛乳ラーメンの店の電話番号を入力。
次に、駐車場を選んで、発進。
国道7号線から県庁の近くまで走らせた。
カーナビが教えた駐車場は工事中だとか、営業休止。
それで近くのさくら野百貨店駐車場にクルマを入れた。
歩いて探すことにした。
市販のグルメの本の小さい地図を片手にそこから駅に向かって歩いた。
小さな店舗の老女と女子高校生に尋ねて、ようやく店に辿り着いた。
ラーメンの旗が立ち、看板があった。
時間は15時を回っていた。
それでも店内にはかなりの人。
子ども連れた家族が目についた。
入口近くの三角のテーブルに陣取って、迷うことなく、注文。
味噌カレー牛乳ラーメンである。
目の前には小梅の梅干しとそれをとる小皿。
「自由にとって食べていいが、残さないように・・・」と注意書き。
さて、このラーメン。
味噌ラーメンをベースにしたトッピングラーメン。
いろいろな具材を入れて楽しむラーメンの1つ。
掲示されたメニューをみると、そんな可能性。
このラーメン。
逸話がある。
青森の映画館にあったラーメン店で作られた。
中学生が映画の途中に注文する裏メニューとして登場。
店主と子どものノリの良さを感じる。
今では、青森の名物。
普及会までできている。
青森に行ったら、1回は食べてみるものだ。
味噌カレー牛乳ラーメン。
値段は740円。







